職業野球を追いかけて

引退・戦力外・自由契約になったプロ野球選手を紹介したり、トレードやドラフトなどの各種データを掲載するブログです。

ヤクルト二軍、7月に起きた人数不足と惨状

 東京ヤクルト・スワローズにとって、辛い時期が続いた7月が終わった。
 
 7月1日から7月21日にかけて、1引き分けを挟んで悪夢の14連敗。これは、球団では1970年以来、47年ぶりの出来事だった。しかしその間に、困窮していたのがヤクルト二軍だ。

 

二塁手新田玄気の誕生

 毎年のように怪我人が出るヤクルトは、今季も多くの選手が離脱した。川端慎吾畠山和洋と、2015年優勝時にクリーンアップを組んでいた2人がいなくなり、投手陣も守護神の秋吉亮らが離脱。一軍は苦しい状況に立たされた。

 しかし、戦力補充のために選手を一軍に上げた影響で、二軍の選手も少なくなった。6月18日の試合では外野手の比屋根渉が二塁手として試合途中から出場。さらに6月24日には、2014年に引退して裏方スタッフを務めていた新田玄気を育成選手として登録。選手が足りなくなった場面に備えた。

 7月に入ると、西浦直亨と奥村展征二塁手及び遊撃手として出場するが、7月7日に西浦が一軍昇格。代わりに廣岡大志が二遊間を守り始めたが、廣岡も7月9日に一軍昇格。廣岡と入れ替わりで谷内亮太が二軍に降格し、9日の試合は遊撃を谷内、奥村が二塁を守ることになった。

しかし、この日の試合途中で奥村が三塁を守ることになった。すると、二塁手が不在の状況に。やむなく現役復帰した新田を二塁守備に就かせることになった。

 さらに7月10日、奥村が一軍に昇格。こうなるとスタメンで起用する二塁手がいなくなり、捕手の井野卓二塁手としてスタメン起用。厳しい戦いを強いられた。

 7月11日も二塁を井野が守ることになったが、幸いにも翌日からはオールスター休みがあり、7月20日までは試合が無い。その間に奥村、廣岡の2人が二軍に戻って来たために、20日以降は無茶な起用も無くなった。

岩橋4連投

 野手よりも酷い状況だったのが投手陣。7月1日から7月11日まで10試合が行われたが、ローテーションと継投が崩壊しており、怪我をしていない数少ない投手で試合を消化した。

7月1日〜7月11日、10試合の投手
岩橋慶侍:7試合
土肥寛昌:6試合
村中恭兵:6試合
中島彰吾:6試合
久古健太郎:5試合
菊沢竜佑:5試合
徳山武陽:4試合

 投手陣の中で一番酷使されている投手が岩橋。11日間で行われた10試合のうち、7試合で投げており、7月8日から7月11日までは二軍では異例の4連投と大車輪の活躍を見せた。

 この11日の試合は限界を迎えていることがよくわかる展開で、前日、7月10日に投げた投手(徳山、岩橋、中島、土肥、村中、久古、菊沢)が全員連投するという異常な試合となった。

7月10日:徳山(2回)→中島(1回)→菊沢(2回)→村中(1回)→土肥(1回)→岩橋(1回)→久古(1回)
7月11日:徳山(1回)→岩橋(2回)→中島(1回0/3)→土肥(2回)→村中(1回)→久古(1回)→菊沢(1回)

 このような“惨状”のためか、7月18日に予定されていたフューチャーズ対ヤクルト二軍の試合は、7月12日に編成上の都合(スワローズ公式サイトより)で中止となった。

根本的な解決策を!

 投手陣もオールスター休み後は駒が増え、このような壊滅的な状況には陥っていない。

 しかし、もう少し育成選手を獲得するなどの根本的な解決を試みないと、同じ事態は再びやってくるかもしれない。